相談者の声~半年間の就労準備支援を受けたAさん~

Aさんが就労準備支援事業で活動を始めて、半年が過ぎました。活動を始めるまでの自分とこれまでのふりかえりの機会としてインタビューに答えていただきました。

Aさんプロフィール

  • 40歳代、男性、両親と同居、専門学校卒業
  • 趣味…インターネット、ゲーム
  • 所持資格…第1種普通自動車免許、調理師
  • 仕事の経験

    ①20歳代/ホテル調理/4ヶ月
    ②20歳代~40歳代/家業食堂手伝い/およそ5年前に廃業

  • 自分の性格

    きつい言葉かけは苦手
    急かされるのは苦手
    しゃべるのが苦手(言葉や気持ちがちゃんと伝わっているか心配…)

  • 相談時の希望

    生活リズム改善したい
    体力向上したい
    就職に向けた技術取得したい

 

1.ふんばりへ相談に来られる前の生活を教えてください。

専門学校卒業後にホテル調理へ勤めたが、なぜか仕事中に足が動かなくなってしまって、会社も自分も仕事にならなくなったので退職しました。
退職後は、両親の経営する食堂の手伝いをしてきましたが、5年前に廃業してから、仕事はしていませんでした。好きなインターネットやゲームを夜な夜なしていることで日が昇ってから寝ることもありました。
今年4月に、以前から心配してくれていた叔父さんに連れられ、ハローワークへ仕事探しに出かけたところ、ハローワークの職員さんから「生活のリズムを改善してから仕事を探しましょう。市役所へ相談してみてください」と言われました。
さっそく市役所へ相談し、「ふんばり」を紹介してもらいました。相談の目的は、就職を目指した生活リズムの改善や体力向上、就職に向けた技術習得でした。

 

2.相談に来ていただいたのは、今年の4月でしたね。これまでを振り返ってみましょうか。

取り組んできたプログラム
4月 福祉施設清掃
5月 福祉施設清掃
コミュニティショップの手伝い
6月 福祉施設清掃
水産(貝の汚れ取り)
7月 福祉施設清掃
水産(貝の汚れ取り)
レストラン(清掃、調理補助)
8月 福祉施設清掃
水産(貝の汚れ取り)
レストラン(清掃、調理補助)
農業(主に草引き)
除草作業
9月 農業(主に草引き)
デイサービス(清掃、調理補助)
介護資格の研修会へ参加

Q活動を始めたときの気持ちを教えてください
A朝ちゃんと起きれるか心配していましたが、何とか自分で起きています。ふんばりから紹介された福祉施設の館内清掃を始めた頃は、務まるか不安でしたが、職員や他利用者のみなさんと一緒に作業をしていって、だんだんと務まるようなった気がします。

Q一番うれしかったことは何ですか。
A福祉施設の清掃では、施設の利用者さんに「ありがとう」といってもらえたりと、作業したことに感謝されたことです。

Q一番苦しかったこと、大変だったことは何ですか。
A夏場の草引きや草刈りの肉体労働です。暑さは何とか乗り越えましたが、足腰が痛んだりしてしんどかったです。

Q身についたことはありますか。
Aトイレ掃除の仕方など作業それぞれのコツが分かり、いろんな経験ができました。

Q今一番の思い出を教えてください。
A牡蠣貝の汚れ取りです。職員さんは親切で、自分のペースで作業できたし、海辺の作業場所は、魚とか自然の生きものがいて癒されました。

Q自分の変化や家族など周りの変化はありましたか。
A作業が終わって家に帰ってバタンキューということもなくなって、体力がついてきたと思いますし、一般的な生活リズムになってきました。自分からあいさつするようになりました。親戚は「がんばってるな」と言ってくれます。…母との関係はそれなりに変わったような気がします。

Q今後の思い描く自分を教えてください。
A月々少し余裕を持って生活していけるだけ稼ぎたいし、それなりに人の役に立って、あまり目立たず、平和に暮らしたいです(笑)

Qこれまで活動を通じて、みなさんへお伝えしたいことがあれば教えていただけますか。
A自分は小心者ですが、何とかなってきているように思います。お困りのみなさんも何かしらできることが見つかるかもしれません。そのきっかけとして、相談してみてはいかがでしょうか。

 

支援員より…

真面目で控え目なAさんらしいコメントでした。
生活リズム改善や体力づくりのため、職員さんとの1対1の関係で福祉施設の清掃からスタートしました。生活リズムをコントロールして、休まず真面目に取り組んでくれています。体力づくりをしながら、人との交わる作業を増やして活動の幅を広げていきました。9月からは、高齢者デイサービスで清掃や調理補助を始めました。慣れてきたら利用者さんとのコミュニケーションへも挑戦予定です。
また、介護資格の取得に向けて研修会へも参加を始めました。作業の苦手なところは、自他ともに認める作業スピードですが、丁寧さはどの作業をしても評判ヨシです。Aさんは自分の苦手なことを正直に伝えてくれます。また、まじめさや丁寧さをAさんは強みとして持っています。
自信満々でなくても、自分らしく自信を持ってお仕事を目指していけるようにこれからも応援していきます。

相談・お問い合わせ先

社会福祉法人 志摩市社会福祉協議会
志摩市くらしサポートセンター ふんばり
〒517-0501 志摩市阿児町鵜方3098-1 阿児健康福祉センターサンライフあご内
TEL: 0599-68-7130 FAX: 0599-44-1103
E-mail: seikatsu@shima-fukushikyo.or.jp