水福連携の取り組み

 

平成8年から農業×福祉、農福連携に挑戦してきた私どもは、平成25年より水産×福祉の水福連携へのチャレンジを始めました。下記は水産漁業者のかたがたと共に協業してきた記録をまとめております。

実践・試験の状況

様々なご依頼とお問合せをいただき、ありがとうございます。

 

  • 網・籠部品取り付け作業→佐々木商工 3,341個
  • あおさ養殖部分作業→迫子・波切漁業者
  • あおさラスク等の製造

あおさラスク等の製造

  • 真珠玉入れ作業→片田真珠業者
  • 真珠ストラップの作成→和具ブローカー連携

真珠ストラップ

三重県から「真珠稚貝の付着器」作成作業を受託したことが水産と福祉の連携作業のきっかけとなりました。三重県の若手水産技師の支援もあり、海に入る危険な仕事以外に、高齢化や後継者不足等から相当の働く需要があることが分かり、今では的矢牡蠣の養殖籠やあおさ海苔の網修繕、支柱清掃などの作業を請け負うまでに至っています。

 

実際に行ってきた作業の数々

 

あこや稚貝付着器作製
  • 三重県栽培漁業センターから受託
  • 平成25年 1,200枚
  • 平成26年  100枚
  • 平成27年  500枚
  • 室内作業、調整作業として有効
  • 誰もができる作業

あこや稚貝付着器作製

あおさ網支柱清掃作業
  • 個人事業者から受託
  • 平成26年 7月500本 11月200本
  • 作業日を定めて出張作業
  • 皆でできるので効率的
  • 1時間16本で800円 収益率の高い仕事
  • 課題は、1.道具の工夫 2.作業環境の整備
    3漁業者の負担(受託額)

あおさ網支柱清掃作業

あおさ網修繕作業
  • 試みとして立神地区漁業者と連携
  • 平成26年  20枚
  • 平成27年 100枚
  • 広い作業場所と釣り棒など作業環境が必要
  • 修繕箇所の事前チェック、事後確認など
  • できる方が限られる作業
  • 慣れるまでに相当の指導が必要

あおさ網修繕作業

牡蠣養殖籠修繕作業
  • 佐藤養殖場から通年受託
  • 期限なし出来高でこちらのペースで作業できる
  • 平成27年 7,680枚 納品
  • 他作業所と連携実施
  • 修繕箇所の事前チェック、事後チェックが必要
  • 1時間7枚は厳しく、できる方が限られる
  • 介護予防など経験高齢者との連携

牡蠣養殖籠修繕作業

鮮魚販売(店舗・移動販売)
  • 外湾漁協と連携して商品仕入れ確保
  • 水、金の週2回実施
  • 車両が二人乗りのため、従事者が限られる
  • 仕入調整、売れ残り商品の加工、店舗販売、配達販路の拡大が課題
  • 平成28年より施設食材の納品、加工場の確保が課題

鮮魚販売(店舗・移動販売)

カキ養殖就労試験・佐藤養殖場
  • 県の委託試験を受託、作業性検証
  • 委託試験がきっかけで作業委託も
  • 技術者1名+利用者3名+α
  • 養殖ノウハウを習得しながら、陸上作業を配慮いただき連携実施
  • 夏冬牡蠣の出荷、合間のくぎ抜き作業などで通年作業
  • 作業台等の工夫
  • 事業として成熟期に
  • 今年コラボ商品の販売、商品販売について、業の壁が課題

カキ養殖就労試験・佐藤養殖場

カキ養殖就労試験・三ケ所
  • 鳥羽磯部漁協三ヶ所支所の協力
  • 地元漁業者の基地借用等協力
  • 障がい者の作業性の検証
  • 船舶、稚貝を独自確保(提供)
  • 指導員11名、利用者26名の総動員体制で検証、体験する→工夫する→検証する→評価する→選定する→チームづくり
  • 可能であるがチーム作りが課題

カキ養殖就労試験・三ケ所

 

試験検証のまとめ 1

 

 初めての取組で、作業工程が十分に把握できていないので、作業工程を私たち職員も習得・共有する必要があり、「みんなで知ろう、取り組もう」をコンセプトに作業担当者1名(養殖等経験者)、指導員11名(うち障がい者雇用5名)、利用者26名以上の実人員で取り組みました。

 

 また、作業調整を「体験する→工夫する→検証する→評価する→選定する→チームづくり」という工程で進めることで、効率的な作業体制を整えられるとわかりました。
さらに、作業工程の分類・チームづくり・安全への配慮等、カキ養殖作業への障がい者就労における様々な課題を把握することもできました。

 

試験検証のまとめ 2

 

 陸上での作業は障がい者も概ね問題なく実施できましたが、養殖筏上での作業は足場が不安定なことから障がい者には難しかった。改善方法として、作業船を養殖筏に設置する等の足場確保の工夫や、作業筏又は陸上への作業集約を図る等の作業工程の工夫が必要と考えられます。

 

 結果として、障がい者がすべてのカキ養殖作業を実施することは困難であったが、作業工程に応じてチーム(指導員2名+利用者3名程度)を形成し、役割分担して作業を実施することで、福祉事業所としてカキ養殖業へ参入することは可能であると考えられます。

 

また、規模が大きくなった時に障がい者を支える即戦力の指導員(養殖経験者等)をどのように確保するかが成功のポイントであると考えられます。

経験者のかた、ご協力よろしくお願いいたします。→水産技術経験者 募集
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